【新型】スズキ クロスビーの仕様と試乗記

スズキ・クロスビー2017年12月25日発売
〈更新:2018年1月6日〉
東京モーターショーで注目を集めたスズキ自動車のコンパクトSUV『Xbee(クロスビー)』が12月25日に発売されました。思ったより前倒しな市場投入です。また、タイミングよく整備から上がったクロスビーに少し試乗できましたので、簡単な〔クロスビー試乗記(1回目)〕と、再びジックリ試乗した〔Xbee 試乗記(2回目)〕を追記しました。

そういえば、12月にリリースと噂の4代目『Jimny(ジムニー)』兄弟はどうなるのでしょう?そっちも気になりますね。(追加情報:新型ジムニーは2018年5月〜8月頃発売予定。)

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エクステリア

エクステリア[2018 クロスビー 機能・仕様]
クロスビーは軽乗用車『Hustler(ハスラー)』の外観に似ているため、発表される前は『ハスラーワイド』と呼ばれていました。しかし、車両ベースになったのはハスラーではなく『Ignis(イグニス)』で、そのプラットフォームを利用して、ハスラーデザインの外装を合わせたそうです。
ハスラーは軽自動車『ワゴン R』と SUV をミックスした新ジャンルが好評になり発売当初から人気が高く、発売から約5年たった現在でもコンスタントな販売数を上げています。ハスラーは2017年12月にカンフル剤として特別仕様車〔ハスラー J スタイルⅢ〕が発売されました。

クロスビーは、ハスラーで好評だったコンセプトを普通乗用車にもってきた「二匹目のドジョウ」的なクルマでしたが、コンセプトカーが初お披露目された東京モータショーでも来場者には好評だったため、内外装はショーモデルとほぼ同じ状態で市販化されました。エクステリアのデザインだけ見ていくと、クロスビーとハスラーの違いは少ない。違いがあるとすれば、軽自動車規格に縛られないため、ボディ外装やパーツ類に豊かな膨らみがあることでしょう。あとはボンネットの長さや、Cピラー内に小窓が空いていることでしょうか。

フロントマスクの見た目で重要な要素となるヘッドランプまわりでは、HYBRID MZ グレードでは、ポジションランプをふくめて LED ライト化されていますが、HYBRID MX グレードではオプション扱いで、標準だとマルチリフレクターハロゲンヘッドランプになります。
エクステリア[2018 クロスビー 機能・仕様]エクステリア[2018 クロスビー 機能・仕様]エクステリア[2018 クロスビー 機能・仕様]エクステリア[2018 クロスビー 機能・仕様]エクステリア[2018 クロスビー 機能・仕様]エクステリア[2018 クロスビー 機能・仕様]

Xbee ボディカラー


クロスビーのボディカラーは、『3トーンコーディネート』が2色。『2トーンルーフ』が6色。『モノトーン』が3色と、3タイプのペイントに分かれており全11色が用意されます。原色系が2トーンルーフ仕様に4色用意されますが、それ以外は彩度をおさえたシックな色合いなため、性別・年齢に関係なく幅広いユーザーに対応できそうなカラーリングです。

3トーンコーディネート
ボディカラー[スズキ・クロスビー(Xbee)]ボディカラー[スズキ・クロスビー(Xbee)]

2トーンルーフ
ボディカラー[スズキ・クロスビー(Xbee)]ボディカラー[スズキ・クロスビー(Xbee)]ボディカラー[スズキ・クロスビー(Xbee)]ボディカラー[スズキ・クロスビー(Xbee)]ボディカラー[スズキ・クロスビー(Xbee)]ボディカラー[スズキ・クロスビー(Xbee)]

モノトーン
ボディカラー[スズキ・クロスビー(Xbee)]ボディカラー[スズキ・クロスビー(Xbee)]ボディカラー[スズキ・クロスビー(Xbee)]

インテリア

インテリア[2018 クロスビー 機能・仕様]
普通自動車のクロスビーは、見た目がハスラーでも車体はワイドでロング。その大きさは室内の広さにも反映されており、前席に座ると座席のあいだには適度な距離があって、フロアにはバックなどが置けるスペースがあることに気付くでしょう。また、後席のシート幅も拡大されており、狭いながらも3人分のシートベルトも用意されます。後席シートを最後部までスライドさせれば足下はかなり広くなります。
インテリア[2018 クロスビー 機能・仕様]インテリア[2018 クロスビー 機能・仕様]インテリア[2018 クロスビー 機能・仕様]
シート表皮は手触り柔らかいファブリックですが、アウトドアで活躍するクルマなだけに、シート座面には撥水加工をほどこして水滴がしみ込みにくい仕様としています。シートの色合いは黒色をベースに、車体色に対応した3色(イエロー、オレンジ、アイボリー)のシートパイピング(HYBRID MZ)とカラーアクセントを採用。

運転席に座って室内を見渡すと、軽自動車のハスラーのデザインをリメイクしたカラーパネルを使用したインパネが目に入ります。カラーパネルはアイボリー色で、ドアトリムにも採用。インパネやダッシュボード、それにメーターまわりは新たにデザインされており、それらは収納ボックスの形状や配置にもおよんでいます。
インテリア[2018 クロスビー 機能・仕様]インテリア[2018 クロスビー 機能・仕様]インテリア[2018 クロスビー 機能・仕様]インテリア[2018 クロスビー 機能・仕様]

動力関連

クロスビーに搭載されるエンジンは、排気量〈996cm³〉の直噴ターボエンジン。これにマイルドハイブリッド・システムを採用。このターボエンジンにモーターアシストを組み合わせたのはクロスビーが初めて。
パワートレインには、ダウンサイジング ターボエンジンの他に、スズキ独自技術のモーターアシスト『マイルドハイブリッド』が搭載され、より低燃費に貢献することになります。(2WD車:22.0km/L、4WD車:20.6km/L)

エンジン・モーター

K10C型ブースタージェットエンジン[2018 クロスビー 機能・仕様]
搭載されるエンジンは東京モーターショーでアナウンスされたとおり、ターボチャージャーを搭載する排気量〈996cm³〉の直列3気筒インタークーラーターボ『K10C型ブースタージェット エンジン』が搭載されます。エンジンからの出力は〈約99 ps〉と同型エンジンを採用する『Swift(スイフト)』の〈102 ps〉より若干パワーが抑えられています。

クロスビーの車格はスイフトより小さいため、エンジンルームも狭くなります。そこに同型エンジンと BSG(ベルト起動のエンジンスターター兼オルタネーター)を組み合わせたハイブリッドシステムを搭載しなければならないため、よりエンジンを改良して小型化しています。
小型化のためにはエンジン関連部品の設計変更がされ、スイフトに採用されている吸排気管より細いタイプに改良。さらにラジエータやインタークーラーの配置も見直すことでエンジンルームへ搭載可能にしました。ただし、吸排気管を細くすると吸排気抵抗が増えてエンジンに負荷がかかってしまうため、エンジンの出力とトルク発生の回転数やパワーバンドを、スイフトよりも低い設定にしています。

エンジン・モーター[2018 クロスビー 機能・仕様]
スズキ・マイルドハイブリッドの特徴

  • モーターの力でクリープ走行。
  • 発進後〜加速時のモーターアシスト
  • 減速時のエネルギーで発電・充電
  • 静かでスムーズなエンジン再始動
  • 居住性に影響を与えない小型軽量システム

モーターアシストは、発進時のクリープ走行と、加速時の最大30秒間をモーターでエンジンをアシストします。また、アイドリングストップからのエンジン再始動時は、ISGのスターターモーター機能により、静かでスムーズな再始動を実現しています。(クリープ時のモーター走行は、1回最長で10秒間。)

変速機

変速機は CVT が採用されるのかと噂されていましたが、最終的には欧米でも人気の高い『6速オートマチック』が採用されました。
6AT パドルシフト[2018 クロスビー 機能・仕様]
搭載されるトルコンオートマチックの 6AT は、発進時の力強い加速や登坂性能、そして高速走行時の燃費性能を両立。また、ATの特性をいかして、アクセル操作への素早いシフトレスポンスを実現。さらに、ステアリングホイールの『マニュアルモード付パドルシフト』を指先で操作すれば、素早いシフトアップ/ダウンが可能。ドライバーの思いのままのシフト選択ができます。

4WD システム

4WD システム[2018 クロスビー 機能・仕様]
クロスビーの駆動系のラインナップはハスラーと同じく、前輪駆動 2WD と、フルタイム4WD の選択ができます。
クロスビー注目の機能の一つは、最新の 4WD システムを搭載していること。本格的なクロスカントリー 4WD を開発製造販売しているスズキの四輪駆動車の歴史は長く、多くのファン&ユーザーが存在する。

クロスビーの 4WD は、タウンユースのオンロードから山道のダートトラックまで幅広く快適に走行できる設定。また、あらゆるユーザーが運転する SUV であるため、気候によって常に変化する路面状況に応じて走行できる四駆になっています。
4WD システム[2018 クロスビー 機能・仕様]
いざというとき、4WD システムの操作に慣れていないドライバーでも簡単に走行モードの設定できるように、ボタンスイッチを選択するだけで路面状況に合わせた走行を可能にしています。

4WD 走行モード

クロスビーの四駆は、通常走行時では前輪側よりに駆動力を配分し、滑りやすい雪道などでは前後輪に最適な駆動力を配分するビスカスカップリング式の 4WD システムを採用。

スポーツ
4WD システム[2018 クロスビー 機能・仕様]
力強いトルクを発揮。エンジン回転数を高めにキープする設定で、アクセル操作からの反応も早くパワフルでスポーティーな走り。
スノー
4WD システム[2018 クロスビー 機能・仕様]
必要以上のエンジントルクを抑制し、タイヤの空転を抑えることで、雪道やアイスバーンのスムーズな発進・加速をサポート。
グリップコントロール
4WD システム[2018 クロスビー 機能・仕様]
タイヤの空転が発生した車輪のブレーキ制御を早めかつ強くすることで、ぬかるみや滑りやすい路面で発進をサポート。
ヒルディセントコントロール
4WD システム[2018 クロスビー 機能・仕様]
ブレーキ操作をしなくても自動的に車速を〈約7 km/h〉にコントロール。急な下り坂で車速を自動制御することで、ハンドル操作のみに集中できます。

Xbee 試乗記(1回目)

HYBRID MX 2WD[2018 クロスビー 試乗レビュー]
クロスビー発売日の〈2017年12月25日〉に行きつけのスズキ自動車ディーラーへ寄ったら、整備から上がって来た試乗車なりたてホヤホヤの『クロスビー HYBRID MX』があったので少し試乗させていただきました。

試乗車は、HYBRID MX の 2WD(前輪駆動)。装備されるオプションは、セーフティサポートパッケージ、LEDパッケージ、全方位モニター用カメラパッケージとフル装備。しかし、年末の忙しい都合上、整備時間がたらず『全方位モニター用カメラパッケージ』まで装着が間に合わず。インダッシュは空の状態ですが、モニターカメラが無くても走行に問題がないため現状のままで試乗。

まずはエンジンを掛ける。最近のスタンダードとなったプッシュ式のエンジンスターターを押すと僅かな時間でクロスビーの排気量〈1000 cc〉のエンジンは目覚める。始動したエンジン音とアイドリングの音は、とくにドラマチックなこともなく普通の音色。室内に入ってくるアイドリングの音は小さく「コトコト」と可愛らしい。
試乗車として下ろしたてなので、ハイブリッド用リチウムイオン電池の蓄電量は半分くらいと少ない。また、外気温も10度を切っているため、ちょい乗りでモーターアシストは駆動しないでしょう。アイドリングストップ機能も作動するかどうかギリギリの状況。しかし、モーターアシスト作動しない状態がチェックできるため興味ぶかい試乗になりそう。

シートのフィッティングや各種ミラーの見え方を操作しているとシートが暖かくなってくる。そう、クロスビーの前席にはシートヒーターが標準装備されるのです。寒がりの私には嬉しい装備。
HYBRID MX 2WD[2018 クロスビー 試乗レビュー]
それでは SUV ワゴン『Xbee』発進!
ちなみに、助手席には営業レディーが同乗なのでクルマへの走行負荷は少なめ。

ディーラーの出入り口まで、エンジンパワーのクリープ走行でゆるゆると進む。それから公道へ出てアクセルをゆっくりと丁寧に浅く踏み込むとクロスビーはスルスルと加速していく。まだ、モーターアシストは作動していない。

走り出して、まずはハンドルのフィーリング。ハンドルの操作感はステアリングレシオが大きく感じるような軽さと回転量、また前輪を操舵しているようなダイレクト感は低い。ターボチャージャーを装備するモデルであるがスポーティーとは無縁のフィーリング。ステアリングホイールが真ん中にある状態でのハンドルの遊びはとくに無く、動かした分はタイヤが動くがクイックではない。

バッテリー充電量が足らないためモーターアシストは駆動しないが、シッカリとしたクリープ走行によって渋滞ノロノロ運転も快適。そうそう、サイドブレーキはフット式なので腕で操作するより楽。

渋滞を抜けて前方が開けたのでアクセルを四分の一くらいスッと踏み込むと、クロスビーはススーッと加速して〈60 km/h〉あたりに速度がとどく。トルク出力が低回転からフラットであるためかターボチャージャーらしい掛け算的な加速ではない。また、変速機は CVT ではなくトルコンオートマチックなのですが、段数が 6AT と多いためか、かなりスムーズに加速&シフトアップする。
また、アクセルを抜くとハイブリッドカーらしく減速エネルギーを電気に変換する回生機能が働きますが、積極的に回生エネルギーを得たい設定のためか、エンジンオンリーのクルマと比べると明確な減速パワーを感じます。

走行中の遮蔽性もチェックしたが、今時のクルマらしく静か。試乗ルートの路面が綺麗なアスファルトだったのでロードノイズよりエンジン音の方が耳に入った。良質なスピーカーを装備するカーオーディオで音楽が楽しめそうです。

と、このように走行しているとアイドリングストップが作動するようになりました。試乗時は常にエアコンをオンにして走行していたのですが、スズキ自動車のアイドリングストップ中のエアコン作動の挙動は、消費電力を抑えるため風力が弱くなります。エンジンが再始動すれば風力は戻ります。また、エンジン再始動のセルスターター音は非常に小さく、作動時間もわずかでした。

以上のような感じで短い時間でしたが、下ろしたてクロスビーの試乗ができました。予想どおり最後までモーターアシストは作動しませんでしたが、また別の機会にコーナーリングの挙動や登坂能力のチェックもふくめて試乗します。

インパネ・スイッチ類

インパネ・スイッチ機能[2018 クロスビー 試乗レビュー]
センターインパネのスイッチ類が気になったので確認してみました。すべてのスイッチがエアコン・ヒーターに関連するもので、ディスプレイの左側スイッチが風量調整で右側が温度調整。
下段のスイッチ機能は左から、内外気切替え、エアコン作動、機能OFF、機能オート、デフロスター、リアデフォッガー、吹出し口切替え、となっています。
インパネ・スイッチ機能[2018 クロスビー 試乗レビュー]
エンジンのスタート/ストップボタンの下にあるスイッチ類は安全支援システムのキャンセルスイッチです。左から順に、ESP OFF、アイドリングストップシステムOFF、リアパーキングセンサーOFF、デュアルセンサーブレーキサポートOFF、車線逸脱警報OFF、です。止めたいセーフティ機能をユーザーの環境や必要性によって各項目で設定できるところは良いですね。

まとめ:

クロスビーの発売は来春と思っていたところ、購入希望者には嬉しい前倒し発売になりました。すでに試乗車を用意しているディーラーがありますから、2018年の初売りから試乗&商談が可能です。私は、発売日にクロスビーの試乗できてフィーリングをつかめてラッキーでした。

Xbee 試乗記(二回目)

新年が明けた1月5日、人気の Xbee にふたたび乗れる機会がおとずれました。

試乗できたのは、クロスビー HYBRID MX(DSBS、セーフティサポートパッケージ、LEDパッケージ)とグレード・仕様ともいっしょで前回試乗した車両と同じ。今回は時間に余裕があるようなので、ファーストインプレッションの時と比べて多めに試乗できることになりました。

この日に試乗できたクロスビーのバッテリー状態は、アイドリングストップ対応バッテリー、ハイブリッド用バッテリーの両方とも充電率は良好。これならクリープ走行からモーターアシスト走行できそう。
この試走では営業マンの男性と二人で乗車。二人の合計重量で〈120 kg〉は確実に超えるため負荷重量としては十分。

走行・加速

クロスビーのエンジンをスタートさせて公道へクリープ走行で移動しますが、エンジンが少し暖まっていないためモーターアシストは作動しませんが、十分な推進力をもったクリープ走行です。

車道に出てすぐにアクセルを四分の一ほどスッと踏み込むと、クロスビーは速やかに制限速度に到達。やはり6速トルコンオートマチックとエンジンのマッチングは良好。しかもシフトアップのショックがほとんどなく無段階変速のようにスムーズに加速する。
次は、信号待ちで一番前に停止できたので、信号が青になりアクセルを三分の一を超えるくらい踏む。すると、踏んだ量に合わせるように勢いよく加速。これにプラスしてモーターアシストも同時にかかる!注意しなければ少ない時間で制限速度を超過してしまう。

はじめての試乗でも感じましたが、クロスビーのターボチャージャーのパワー特性は、低いエンジン回転数からトルクを出す設定。これにモーターアシストが同時にかかるため、排気量〈2000 cc〉NA エンジンのようなトルクフルな加速。そしてアクセルをゆるめれば、減速エネルギーでバッテリーへ充電する回生機能が効率よく働いて、ついでに車間コントロールもできるため速度調整も楽です。

モーターアシストは、ハイブリッド用バッテリーの充電率が高ければ積極的に作動する設定のようで、交差点の左折からの短い加速でもモーターアシストがかかっていました。おかげでエンジン回転数が低い領域でもスムーズな加速が得られるため、大人二人乗車にエアコンが作動していてもストレスフリーで運転していて楽しい。

ハンドリング

前回の試乗は長方形状のルートを周回するルートであったため、ハンドル操作のフィーリングが一部しか分かっていなかった事が判明。
クロスビーには電動パワーステアリングが採用されているのですが、速度域が低いとハンドル操作にたいしての抵抗が低く緩やかな設定になっているため、ステアリングレシオが大きく感じます。ところが時速40キロを超えるあたりからハンドル操作の抵抗が徐々に増えてドッシリ感にちかいハンドルフィーリングになります。この電動パワステのフィーリングは、速度域による差が大きいため、日頃から油圧パワステに慣れている私には違和感を感じるものがありました。

足回り

クロスビーの足回りは、普通乗用車に近い乗り心地。S字タイトコーナーを積極的に走っていないので、コーナーリングのロール推移などの細かい挙動は分かりませんが、車高に対してロールはおだやかで、カーブの多い細い道でもブレーキを踏む必要がないくらいコーナーを通過します。衝撃吸収では、凹凸をワザとタウンスピードで踏み越えていっても衝撃の半分くらいはハイスピードで減衰させて、あとの衝撃は緩慢に伝わってくるイメージ。SUV といえども、ただ柔めの設定ではないようです。
あと、ホイールベースが短いので、曲がり角が多いルートでもチョコマカ&クルクル旋回します。どこかのタイトコーナーをパワーONでコーナーリングしたら、どんな走りをするのか興味がわきます。

遮蔽性

走りながらのロードノイズや、対向車とすれ違うときの音を積極的に確認していましたが、十分にノイズは抑えられており静かな走行でした。エンジン音は回転数を上げると聞こえてきますが、壁向こうで鳴っているイメージで耳障りな事もありません。そういえば、加速時のターボ過給音は聞こえないですが、個人的に、あの「ヒューン!」は聞こえなくても良い派ですので嬉しいですね。

運転のしやすさ

切り立ったフロントガラスと前ピラー(Aピラー)からの視界は良く、左右確認も良好で運転しやすい。また、コンパクトなボディサイズに短いノーズ、それとボディサイドの張り出しがほとんどないため、車体全体のイメージがつかみやすく狭い道でのターンや離合も楽々。駐車場での出し入れもしやすい。唯一の注意点は、斜め後ろ後方ある C ピラーの死角に気をつけたいところ。ただし、全方位モニターカメラをオプション選択するドライバーにとっては、この点は問題に感じないでしょう。

セーフティ(運転支援)

試乗でも、なかなか試す機会がないのが運転サポートシステム(略称:サポカー)です。わざわざ危険な状況を試乗で実行するのは…今回の試乗でたまたま確認できたのが『先行車発進お知らせ機能』と『車線逸脱警報機能』でした。

『先行車発進お知らせ機能』は、渋滞待ちでメーターディスプレイの表示情報を操作しているときに前のクルマが動いて離れたときに「ピピッ」と優しいアラーム音が鳴りました。
もうひとつの『車線逸脱警報機能』は、曲がりくねった裏道を走行中に、あいまいなハンドル操作でセンターラインに近付いたのを警告行為とみなして「ピピピピ!」とブザーが鳴りました。こちらの警告音はキツ目で、メーターの情報ディスプレイにも赤文字で警告文が表示されました。裏道のセンターラインや路側帯はペイントされてから年月が経過しているので、ひび割れなどでラインが劣化している状態でしたが、カメラセンサーは的確に状況を捉えていたようです。

後進で駐車

試乗車は相変わらず全方位モニターカメラの取付ができていない状態でしたが、駐車場の停車枠にバックで入庫するときは、直視とルームミラー、それとサイドアンダーミラー付ドアミラーがあるため問題なく駐車枠のセンターへ駐車する事ができました。あと、バック中でもクリープ力があるため、アクセルを全く踏む事なくブレーキ操作だけで駐車枠にクロスビーを収める事ができました。駐車場は後方にゆるやかな上り勾配だったので意外でした。
もしかして、後進クリープもモーターアシストするのでしょうか?今度確認してみましょう。

チェーン装着

試乗に関係ないのですが、気付いた事があったので書いておきます。
クロスビーはクロスオーバー SUV なので、サスストロークを伸ばして車高を上げています。そのような設計なので、タイヤの上方向とタイヤハウスには大きめの隙間があるのですが、タイヤの横方向は最短で〈4 cm〉の隙間もありません。この小さい隙間だと、雪道対策のタイヤチェーンを取付けて走行できるのか疑問が残りました。

近年スタッドレスタイヤの進化がめざましく、一般的なドライバーならチェーン装着をする事はないのでしょうが、もしチェーンが必要なユーザーであれば要確認です。

まとめ:

二度もクロスビーに試乗できたため、新たな発見や気付きがありました。
普通乗用車に〈1リッター〉エンジンと小さいパワーユニットながらも、徹底的に軽量化された車体に、ターボチャージャーとモーターアシスト、それに 6AT を搭載する事で、小排気量コンパクト SUV であることを忘れるほどスムーズでキビキビな走りに惚れてしまいます。試乗を検討しているドライバーの皆さんも、つい「ハンコ押してしまった!」にご注意ください。

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Xbee スポーツ自転車の積載

近年のスポーツバイクブームによって、クルマに自転車を載せて観光地でサイクリングするユーザーが増えています。
室内空間はハスラーよりは広いけど、全長が短いコンパクト SUV のクロスビーには、完成車のままで自転車を収納するのは無理です。その積載方法を探ってみました。

【新型2018】クロスビーにスポーツ自転車を載せる

スペックデータ

サイズ
全長3,760 × 全幅1,670 × 全高1,705mm
最低地上高
180 mm
最高出力
99 ps / 5.500 rpm
最大トルク
15.3kg’m / 1,700-4,000 rpm
モーター出力
3.1 ps / 1,000 rpm
モータートルク
5.1kg’m / 100 rpm
車両重量
2WD / 960 kg、4WD / 1000 kg
消費燃費
2WD 22.0 km/L、フルタイム4WD 20.6 km/L

販売価格

現在伝わっている予想販売価格の情報です。
車体グレードは、ガソリンエンジンのみの『G』から、モーターアシストを搭載する『MX』『MZ』が用意され、安全対策機能をふくめて各種メーカーオプションが用意されます。

近年は軽自動車の販売価格も上がっているため、クロスビーの車両価格がリーズナブルに感じますが、実際の仕様からみても高くはないと思います。

車両販売価格

機種名 エンジン 駆動 変速機 燃料消費率
JC08モード走行
(km/L)
価格(円)
HYBRID
MX
1.0L
DOHC VVT
直噴ターボ
(マイルドハイブリッド)
2WD 6AT 22.0 1,765,800
4WD 20.6 1,908,360
HYBRID
MZ
2WD 22.0 2,003,400
4WD 20.6 2,145,960

オプション

メーカーオプション名 設定機種 価格(円)
スズキ セーフティ サポートパッケージ
【デュアルセンサーブレーキサポート、誤発進抑制機能、ハイビームアシスト、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能、後退時ブレーキサポート、後方誤発進抑制機能、リヤパーキングセンサー、フロントシートSRSサイドエアバッグ、SRSカーテンエアバッグ、オートライトシステム、ライト自動消灯システム】
HYBRID MX 106,920
LEDパッケージ
【LEDヘッドランプ、LEDポジションランプ、LEDフロントフォグランプ、オートライトシステム、ライト自動消灯システム】
HYBRID MX 75,600
全方位モニター用カメラパッケージ
【全方位モニター用カメラ[フロント/サイド(左右)/バックカメラ]、ステアリングオーディオスイッチ、ステアリングハンズフリースイッチ】
HYBRID MX 47,520
全方位モニター用カメラパッケージ
【全方位モニター用カメラ[フロント/サイド(左右)/バックカメラ]、ステアリングハンズフリースイッチ】
HYBRID MZ 45,360
2トーンルーフ・3トーンコーディネート仕様車 全車 43,200
ピュアホワイトパール塗装車 全車 21,600


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