2017年11月の新車販売ランキングで、N-BOX が3カ月連続で2万台超えの首位!この凄まじい販売台数を誇る N-BOX に試乗していきました。
好評だった初代モデルから6年ぶりにフルモデルチェンジした新型 N-BOX はアピールポイントが多く、購入ユーザーの注目の高いトールワゴン軽自動車です。
インテリア
車の外観(アウテリア)デザインは重要なチェック項目になりますが、車内(インテリア)は乗車中ずっと視界にはいるため装備やデザインが気になる人は多いでしょう。
試乗車した N-BOX G・EX のインテリアは、ブラウン&ベージュをベースに柔らかな配色にまとめており、落ち着きのある洋室の窓側のようなイメージ。
スーパースライドシート
新型 N-BOX に試乗して分かるのが全面的に改良されたシートで、従来の軽乗用車ではコスト的に難しい『シートの座り心地』にこだわっています。とくに長距離運転の疲労軽減のため座面各部の厚みや硬さ、そして手触りなどの質感も考えられています。さらに新設計のシートは2種類あって、標準的なベンチシートのほかに、フルモデルチェンジした装備のなかでも一番注目を浴びている『スーパースライドシート』です。
これは、助手席が前後に〈570 mm〉スライドする機能で、どんなところが便利かといえば…
・後席の子供と顔を合わせてコミニケーションできる。
・チャイルドシートに子供を座らせ、車内に出ることなく運転席へ移動。
・助手席を後方にスライドさせて靴の履き替え。
・助手席を後方にスライドさせて大きい手荷物を置く。
とく女性ドライバー(子育てママさん)などに非常に便利なのが、この『スーパースライドシート』です。シートスライドは、操作レバーが前後に装備してあるので、運転席側からも後部座席からも操作できます。実際にスライドさせると分かるのですが、大きな力も必要とせずシートがスムーズに大きく前後するようすは「おおっ!」と感嘆の声が上がります。
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試走
さて、上質な仕上がりの室内とシートをチェックしたら、次は試走に入ります。エンジンが掛けるためのセルモーター音は小さく短い時間でエンジンが始動します。
エンジン
搭載されるエンジンは、自然吸気(NA)のエンジン。最高出力は〈58馬力(7300回転)〉で、最大トルクは〈6.6kg-m(4800回転)〉です。このエンジンには、エンジンの回転数によって最適な燃焼が行なわれるよう可変バルブタイミングリフト機構『VTEC(ブイテック)』が搭載されている。エンジン排気量は小さく、3気筒と少ないのですがエンジン音は軽やか、安っぽいイメージはありません。
ちなみに試乗は、大人の男性二人乗車といった重量物を載せて行ないました(エアコンはONです)。
発進するために浅く丁寧にアクセルを踏んでいくと、エンジン回転数がゆるやかに上昇して N-BOX もスルスルと発進。CVT変速機のおかげでエンジン回転数を〈4000rpm〉以上にもっていくことなくスピードが上がっていきます。トールワゴンの車重に NA エンジンは力不足にならないか心配でしたが、新型エンジンは低中速トルクが十分にあるため、エアコンを使用した状態でも普通に力不足もなく「ブ〜ン!」と走り回ります。
新しい N-BOX は車重が軽くなっているのもありますが、新型エンジンの良好なトルクとパワーによって、市街地を走行なら不足はありません。ただし勾配率が〈10 %〉を超える登坂になるとエンジンは回転数を上げ「頑張ってますぅ!」な感じで登っていきます。軽量化しても過酷なルートを〈890 kg〉のボディを引っ張るのはいっぱいいっぱいです。
なので、購入を考えているユーザーの道路環境を考えて「NAエンジンにするか、ターボエンジンにするか?」を選択すると良いでしょう。どちらのエンジンを選んでも燃費は大きく変わりません。価格も一昔のターボ搭載でプラス〈20〜40万円〉とかありませんしシッカリ検討しましょう。
ロードノイズ・遮蔽性
新型 N-BOX 走らせて感じるのがロードノイズをよく抑えてあるということです。荒れたアスファルトの路面を通過している時のロードノイズも、従来の軽自動車から考えるとレベルを超えている。普通乗用車の遮蔽性と変わりないほど。
ただし急な坂を登坂する時はエンジン回転数が上がるため。それなりにエンジン音は室内に聞こえるが耳障りになるほどではありません。カーオーディオで音楽を聴きながら走行していれば、そんなに気にならないレベル。
試乗した日は、風があまり強くない状態でしたが、走行中の風切り音はよく抑えられていて静か。ただし、サイドバイザーを装着すると風切り音が増える可能性はあります。
乗り心地
乗り心地で感心したのは、前輪の足回りがよく仕事をしていて、荒れたアスファルト路面でも快適であることです。トールワゴン軽自動車で気になるのは後輪側の乗り心地ですが、N-BOX では路面からの突き上げをうまく緩和してくれています。ただし、路面の凸物の衝撃はあるていど伝わるため、路面状況によってはゴロゴロ感はあります。でも従来のトールワゴン車と比べると改善されているのが分かります。
ハンドリング
N-BOX を運転していて「あ、いいな。」と思うのは、曲がり角やコーナーを曲がるときの安心感があること。軽乗用車のなかでも車高が高いトールワゴンは、カーブにさしかかると車体がロール(傾く)量が多く、少し速度がのった状態だと傾きが増えて「だ、だいじょうぶ?」と思うことがあります。
しかし、新型 N-BOX では傾きの量と速度が抑えられており、ぶんばりが効いた感じでコーナーリングしていきます。まあ、曲がり角やカーブの手前では十分な減速がセオリーなのですが、思わぬスピードでコーナーリングに入った場合でもハンドルを切った方向に車体が向きやすくなっています。
ディーラー営業の話によれば「新型モデルには車体前後にスタビライザーを入れているためロール量を抑えることができた。」とのコメントでした。このようにトールワゴンが苦手とする部分も、技術的にサポートできるようになっています。
ちなみに、ハンドル操作にたいして車体の反応が遅いこともなく、意外と素直なフィーリング。また、ハンドルをまっすぐにした状態から左右に振っても遊びが無駄に大きくないのは好感が持てます。そのため、曲がり角でもステアリング入力が分かりやすく、ハンドルを切りすぎて車体が振り返すこともないでしょう。
意外と言うか、カスタムではない標準 N-BOX のハンドリングは、なかなか優等生だとおもう。これは N-BOX Custom のハンドリングが気になるところです。
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試乗車データ
ホンダN-BOX G・EX Honda SENSINGボディーサイズ:全長×全幅×全高=3395×1475×1790mm
ホイールベース:2520mm
車重:930kg
駆動方式:FF
エンジン:0.66リッター直3 DOHC 12バルブ
トランスミッション:CVT
最高出力:58ps(43kW)/7300rpm
最大トルク:65Nm(6.6kgm)/4800rpm
タイヤ:(前)155/65R14 75S/(後)155/65R14 75S(ヨコハマ・ブルーアース)
燃費:27.0km/リッター(JC08モード)
価格:159万6420円
まとめ:
今回は、日常の送り迎えや買い物で使用することで購入候補に上げている人が多い、自然吸気(NA)のエンジンでスーパースライドシートを搭載した『N-BOX G・EX Honda SENSING』に試乗してみました。
近年の軽自動車の高性能ぶりは、あるていど認識しているので、過剰な期待をせずに試乗したのですが、新型 N-BOX の走りと装備・質感は高く評価できますね!
また、追加情報や気付きがあった更新いたします。
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