【阿蘇カルデラ周回】南阿蘇〜高森〜一の宮サイクリング[前編]

5月5日といえば子供の日。天候は快晴で風はおだやか。こんなサイクリング日和を逃してはならないと、いきなり阿蘇カルデラ一周サイクリングを決行することにしました。
阿蘇根子岳の麓【阿蘇カルデラサイクリング】
『決行!』とは言っても、そんな気合いの入ったアドベンチャー的なことはせず、ノンビリと走ります。

阿蘇カルデラ・南阿蘇地区
ちなみに『阿蘇カルデラ』とは、カルデラの中心部に阿蘇火口丘をふくめた阿蘇連峰がある、南北25km、東西18kmに広がった『じょうご型カルデラ』。外輪山に囲まれたカルデラ内では市町村の集落が存在し、広い面積で農耕・酪農がおこなわれ、国道や鉄道の移動インフラが充実した例は世界でも珍しい。近年では『ジオパーク』にも認定されました。
[ジオパークとは?:ジオ(地球、大地)を科学的に観察して、特別に重要で貴重な、あるいは美しい地質遺産(例えば、地層、岩石、地形、火山、断層など)が数多く点在する地域、大地の公園。]
高森町【阿蘇カルデラ】
今回走行する阿蘇カルデラ一周のルートは、観光マップでも紹介される主要道路を、阿蘇山を中心にして反時計回りで走ります。距離にすると、だいたい80km(出発点から)くらい。ちなみに、カルデラの面積いっぱいに広がったルートを走れば100kmは超えます。今回は、景色を楽しみながら写真も撮るフォトサイクリングなので、停止している時間が長いのを考慮して短いルートを選択しました。

まずは、阿蘇カルデラへアクセスするために国道57号線にそって高度を上げていきます。大型連休になると、このあたりの国道では渋滞気味が珍しくないのですが、この日は目立った大渋滞はなく、自動車も比較的スムーズに阿蘇方面へアクセスできていました。
南阿蘇村の農耕地【阿蘇カルデラサイクリング】
阿蘇カルデラ内部へ上がったところが南阿蘇村になり、農地が広がりはじめます。奥に見える山々が外輪山の一部でもある俵山。その麓を【県道28号線】が高森町方面へ向かっています。
長陽駅・南阿蘇村【阿蘇カルデラ】
まずは南阿蘇村『南阿蘇鉄道』のスポットのひとつ長陽駅に立寄ります。
久永屋・長陽駅【阿蘇カルデラ】
長陽駅には、土日祝日だけ開店するカフェ『久永屋(ヒサナガヤ)』が併設され、シフォンケーキにコーヒーと紅茶が楽しめます。この日もホーム側の客席までお客さんでいっぱい。駅舎がカフェなので、ローカル列車の往来が目の前で眺められる珍しい喫茶店です。

まだまだ先は長い…ケーキを楽しむのを我慢して先に進むことに。
トロッコ列車・南阿蘇鉄道【阿蘇カルデラ】
長陽駅をあとにして昔のメインルートであった村道を走行していると、南阿蘇鉄道のトロッコ列車が田園の中を通過していきます。[トロッコ列車とは?:トロッコ車両に座席を設けた観光客向けのディーゼル機関列車で、3月から11月までの土日祝日に(春休み・夏休み期間およびゴールデンウィークは毎日)2往復運行されています。]

この日は雲ひとつない晴天で、遠くにある田園や山々まで綺麗に望める観光日和。この季節、両側が完全オープン状態のトロッコ列車なら、さぞ絶景の南阿蘇が堪能できたでしょう。
南阿蘇水の生まれる里白水高原駅・南阿蘇鉄道【阿蘇カルデラ】
こういった阿蘇の情景を楽しみながら村道を走っていると、日本一長い駅名でもある『南阿蘇水の生まれる里白水高原駅』へ近づいたので、駅を一望できる場所へ立寄ります。
こちらの駅舎は、10角柱の形をした無人駅。待ち合わせのための部屋があるだけのシンプルな構造。
ひなた文庫・南阿蘇水の生まれる里白水高原駅【阿蘇カルデラ】
最近こちらの駅室では『ひなた文庫』という古本屋が土日曜日に営業していたりします。[写真画像は平日に撮影]また、この辺りから東方面の高森へ向けて美味しい南阿蘇湧水群が多数点在しています。
寺坂水源・南阿蘇鉄道【阿蘇カルデラ】
こちらの駅のすぐ近くには、線路鉄橋の下が湧き水という珍しい『寺坂水源』があります。湧水量は毎分5トンと豊富だから、いつも新鮮な湧き水が汲むことができます。
中松駅・南阿蘇鉄道【阿蘇カルデラ】
南阿蘇の駅をふたつ訪れたので、ついでに、もうひとつ『中松駅』にも立寄ります。
駅舎はモダン的なデザインの建築。こちらの駅には『南阿蘇一心庵』という蕎麦屋さんが併設され、こちらも土日祝日のみ営業をしています。

寄り道もそこそこに高森町へ向けて再スタート。走行している村道は、南阿蘇鉄道と並走するような感じなります。時間の問題で寄らなかったのですが、中松駅から高森駅までの途中にある駅は『阿蘇白川、南阿蘇白川水源、見晴台』の3駅です。

さて、今回のサイクリングで利用している村道。阿蘇の立野から長陽にアクセスして中松くらいまで標高差の少ない上り下りがありますが、そこから高森町までは平地が多く、はじめのほうで少し頑張れば後は楽々です。ただ、道幅は狭く脇道からの合流ポイントが多いので、巡航スピードは落としてノンビリいきましょう。

この他のルート選択となると、村道より標高の高いところに延びている現在のメインルート『国道325号線』があります。こちらは幅広い歩道と綺麗な路面の車道になります。標高差の大きい上り下がり何カ所かありますが、巡航スピードを上げたいなら、こちらのルートが走りやすく安全。沿道のショップやコンビニも325号線が断然多いです。
南阿蘇村【阿蘇カルデラ】
話をサイクリングへ戻します。と、いきたいのですが、長文になったので今回はここまで。つづきは[後編]へバトンタッチします。次回は、カルデラ南東部の高森町から箱石峠を越え、そして一の宮へ向かいます。