昨年から今年にかけて寒気団が猛威をふるっいます。私の住まう『熊本』でも例年になく冷え込んでおり、たまに降雪・積雪によって自転車に乗れない日があります。
このように、寒い季節には自転車に乗れない期間が増える場合もありますが、その時間を活かしてバイクの整備や部品交換による軽量化などに取組むのもいいですね。
私のばあい、春のスポーツシーズンへ向けて、アドベンチャーバイク Toughroad(タフロード) SLR 2 のパーツ交換による性能アップと軽量化をすすめています。
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Toughroad SLR 2 について
昨年(2017年)に購入した Toughroad(タフロード)シリーズの廉価版モデルでもある Toughroad SLR 2 。フレーム素材には GIANT(ジャイアント)アルミフレーム最上級の『ALUXX SLR』を採用。完成車の販売価格で10万円を切るスポーツバイクに、通常では考えられないグレードのフレームを与えている。さらに、フロントフォークも軽量カーボンである。GIANT 恐るべし…
価格を抑えているスポーツバイクに高品質フレームをおごったバイクだから、構成パーツのグレードが気になるところなのですが、十分な性能と質感の部品構成でまとめています。ちなみに 2018 Toughroad SLR 2 はフォークとホイールの仕様を変更していますが、他の部分は 2017 モデルと同じになります。
詳しい部品構成と 2017 Toughroad SLR 2 の評価レビューは以下のページにて掲載しています。
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タフロードの軽量化
今回の Toughroad SLR 2 についての部品交換では、ホイールセット、チューブ、タイヤ、ドライブトレインといった、スポーツバイクにとって重要なパーツとなる駆動系を主に換装します。
とくに Toughroad の標準ホイールは重量が重いため、交換後のパフォーマンス向上が期待されます。
ホイール交換
Toughroad SLR 2 を軽量化するばあい、一番効果的なのがホイールのグレードアップです。2017年モデル SLR 2 のホイールは、キャリア&パニアケースを搭載して荷物を積載しても大丈夫な、高い剛性をもったホイールで重量もあります。なので、長距離ツーリングなどで重い荷物を運搬しないのであれば、軽量ホイールに交換するのがバイク車重の軽量化はもちろん走行パフォーマンスも大きく向上します。
また、ホイールに装着するタイヤは、スピードと衝撃吸収性のバランスがとれた〈40 C〉にするため MTB 用ホイールではなく、グラベルロード向けのオールロード用ホイールから選ぶことにしました。
Toughroad SLR 2 のアップグレードは、変速系もふくめてリーズナブルに仕上げたかったので、高級パーツ群ははじめからスルー。
GIANT 純正のホイールも検討しましたが、前後セットで十数万円を超えるので一番始めに選択から外しました。また、シマノについては、グラベルバイク向けのホイールがリリースされていないので外しました。MAVIC(マビック)のオールロード系は10万越えなので手頃ではありません。
ところが FULCRUM(フルクラム)から 2018 モデルの新商品に[Racing 7 DB 2WAY-R]税抜価格〈¥33,000〉のグラベルやアドベンチャーライドにも対応する C19 ワイドリム採用のディスクブレーキ・ホイールが発売されていました。ブレーキ規格もセンターロック対応であるため、センターロックのファンユーザーとしては非常に嬉しい。
ということで、ホイールは FULCRUM に決定。ちなみに購入するホイールのスペックは以下のとおり。
Racing 7 DB 2WAY-R
リム:アルミ製、ハイト26mm、内幅C19
適合タイヤ幅:28~62mm
ブレーキ規格:AFS(センターロック)
フロントアクスル:QR/HH15-100、HH12-100
リアアクスル:QR/HH12-142
スポーク:ステンレス F/24 R/24
ハブ:アルミモノブロック・プラズマFW
重量:1,740g
税抜価格:¥33,000
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タイヤ・チューブ交換
また、ホイールの軽量化にあわせてタイヤとチューブも変更して軽量化します。この軽量化とタイヤ幅の縮小は、ドライブ系と密接に関係するための対策でもあります。
タイヤは Panaracer(パナレーサー)の Gravel King SK(グラベルキング・エスケー) というグラベルロード用に開発されたロードタイヤです。SK(Semi knob)はセミノブの意味で、正方形の低いノブがマス目状にならんでおり走行抵抗は低く乗り心地も良好。タイヤ幅ラインナップは〈26 〜 43 C〉。
フルクラムのホイールに装着するタイヤ幅は〈35 C〉〈38 C〉〈43 C〉の3種類を選択。走行するコースコンディションやスピード、必要な衝撃吸収性を考えてタイヤを入れ替える予定。
チューブはすべて[MAXXIS ウルトラライトチューブ 700X35/43C 仏48mm]を使用。参考重量はチューブ一本〈100 g〉。
装着する Gravel King
- 700×35C
- 400 g・200-500 (kPa)・¥ 5,191(税抜)
- 700×38C
- 440 g・MAX 400 (kPa)・¥ 5,191(税抜)
- 700×43C
- 490 g・MAX 400 (kPa)・¥ 5,191(税抜)
《備考:700×38C、700×43C はチューブレスコンバーチブル仕様》
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ドライブトレイン交換
Toughroad SLR 2 の変速は、前3枚(44-32-22t)、後9枚ギア(11-34t)の27段変速。26インチホイール MTB が多く採用していた段数とギア比です。そのため、完成車の重くて大きいホイールだと、高い勾配の悪路ではペダリングを頑張る必要があります。
SLR 2 変速系の構成パーツは、前後ディレーラーとシフターが[SHIMANO ACERA]という[DEORE]グレードの一つ下のシリーズ。作動感と耐久性は十分素晴らしい。ただし、重量的には厳しいが販売価格を考えると、やっぱりシマノは凄い。
ということで、作動に関しては問題ないのですが、軽量化のためにパーツ変更します。ちなみに変速用のシフターはそのまま ACERA を使います。なぜならば、現在に至っては 3 × 9速用パーツはラインナップ縮小か廃止の現状なので、ACERA 9S も現在では貴重な部品です。ある程度まで使い倒そうと思います。
ドライブ系で交換・アップデートする部品は
- シフター
- Shimano ACERA(流用)
- FD
- Shimano ACERA(流用)
- RD
- Shimano DEORE 9S RD-M592-SGS
- クランク
- Shimano DEORE FC-M590 (44-32-22 T)
- BB
- Shimano DEORE SM-BB52
- リアコグ
- CS-HG400 9S (12-36T)
- チェーン
- Shimano HG93 9S
ドライブ系の重量は、BBとクランクが占める割合がけっこう大きいため、このパーツ交換でどのくらい軽量化できるのか期待。
このパーツ群で個人的に注目したのが、リアカセットのギア(コグ)です。9速用なのですがローギアが〈34 T〉ではなく、よりロー側に軽くなる〈36 T〉なのです。このロー〈36 T〉の CS-HG400 は[ALIVIO]クラスですが、これ以上のグレードにローギアが大きいリアカセットは製造されていません。
また、ロー〈36 T〉に対応するディレーラーとして[DEORE 9S RD-M592-SGS]を採用。とりあえず、9速で使える〈36 T〉の登坂能力に期待。
次回内容:
Toughroad シリーズのパーツ交換(アップデート)は、いつもドライブ系で相当悩んでいます。29インチホイールは、9速、10速、11速のチェーンリングとカセットコグと相性(互換性)が高いため、部品交換でかなり幅広い設定が可能になります。
今回のドライブトレインの設定は、かなりワイドレンジな設定になるため、装着するタイヤ幅の組合せで相当遊べそうです。次回はパーツ交換後の走行レビューになります。
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タフロード長期レビュー
スポーツ自転車は、買ったあとも意外と手を加えることがあります。基本は、細かく身体に合わせたり(フィッティング)。さらに、自分の求める走り方に部品を交換したり、より軽快に走行できるよう軽量化したりと、乗り手に好みに合わせたアップデートができます。タフロードは軽量化すればクロスバイクのように高速に走れ、グリップの良い太いタイヤをはかせれば悪路も走れ、荷物を積載すればロングツーリングも可能です。また、ドライブトレイン(変速機・ギア)を変更すれば脚力と走行フィールドに最適化した走行も可能です。
そのような多彩な方向性に対応できることを Toughroad で実施して『GIANT Toughroad 長期レポート』として長期レビューします。
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